- ◆経歴
ariは、絵師(デザイン担当)Akiraと、切り師(切り絵担当)Rieの2人組アーティスト。
それぞれ独学で制作していたが、前職の警察官時代に職場で出会い、お互いの感性と技術に惚れ込み、2012年に結成。
2016年共に警察を退職し現在は芸術家として活動中。
(日本での個展、百貨店への出店の他、フランスの公募展、アートフェアに参加)
◆制作について
浮世絵は、チームワークで作られた芸術だという。
ariの絵師と切り師の関係は、浮世絵にみられる芸術職を担う絵師と、技術職を担う彫師、摺師の関係に似ている。
互いの職を極め、一人では生み出せなかった芸術を創り出すため、2人組で活動を続けている。
作り方はシンプル。
基本は、一色で描かれた原画を元に黒い一枚の紙を切り抜き、白い和紙に貼りつける。
それだけ。
シンプルなだけに、誤魔化しや言い訳は出来ない。
絵師Akiraが描くものは、身近だが不思議な存在をモチーフにすることが多い。
1つ目は「動物」。
動物達は「どう見られるか」を意識せず、生きることに全力で、生命力に満ち溢れている。
エネルギーや空気感が人を圧倒していて、「宇宙の摂理まで実は知っているんだ」と言わんばかりの目つきと雰囲気。
そんな動物たちの心の声が今にも聞こえてきそうだから、モチーフとして面白い。
2つ目は「未知の領域」。
いまだ未解明の海底や宇宙、想像でしか触れることのできない神々の世界にも好奇心が抑えられない。
「未知の領域」を説明しようとしても、言葉で表現することを脳がいつも拒否してしまうのだ。
言葉では説明できない、だから、描く。
それが絵を描く原動力となっている。
切り師Rieは、あえてAkiraから何も聞かずに原画を受け取る。
そして、原画に込められた想いや意図をそのまま切り絵に表せるように、ペンのラインそのままに実直に写し取り切り出すことだけを考える。
ボールペンで描かれているため、決して鋭角にはならないそのラインも忠実に再現することを目指している。
これはアーティストというより職人に近いかもしれない。
タイトルは、完成後に最初の鑑賞者として観て感じたインスピレーションから、Rieが日本語で名付けている。
日本語の同音異義語(同じ発音で意味の異なる2つ以上の単語)を作品名に引用することが多い。
それは、そのたった一枚の紙の中に様々なものが隠れているからだ。
「人それぞれ」に観えるものが違うだけでなく、角度、距離、向き、感情や体調によっても観え方が変化する。
◆制作の目的
人それぞれ違うように、感じ方も皆違う。
それは「正解」「間違い」ではなく、全てが「答え」。
共有し、認め合うことで新しい「可能性」が見えてくる。
私たちの作品は、作者自身が鑑賞者に「新しい観え方」を教えて貰うことがある。
新しい「可能性」に気付き、誰かの生きる力に変わるアート。
そんな作品を生み出し続けていきたい。
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- ◆出展歴
2012/08/01 ari結成
2013/12 第23回紙わざ大賞審査員奨励賞
2014/05 ポルトガル美術賞展入選2作品
2014/10 サロン・ドートンヌ展入選
2014/11 第24回紙わざ大賞入選
2014/11 日仏交流現代美術展2014参加
2014/11 ル・サロン展入選
2014/12 第28回パリ国際サロン推薦出品
2014/12 ココデモエンタスグループ展
2015/05 アートムーブコンクール展入選
2015/07 ル・サロン展入選
2015/11 サロン・ドートンヌ展入選
2015/12 美の起原展入選
2016/04 ル・サロン会員となる
2016/06 国際切り絵トリエンナーレ入選
2016/07 サロン・ドートンヌ展入選
2016/10 ルーアン初の公式アートフェア「ART-UP」に選出
2017/10 サロン・ドートンヌ展入選
2017/11 ルーアン公式アートフェアに選出
2018/10 サロン・ドートンヌ展入選
2018/11 モンペリエ公式アートフェアに選出
- 2019/11 モンペリエ公式アートフェアに選出
- 2020/10 サロン・ドートンヌ展入選
- 2021/10 サロン・ドートンヌ展入選